RED DOG CULTURE HOUSE ペ・ギヨン代表インタビュー

Q. RED DOG CULTURE HOUSEについて簡単にご紹介ください。
こんにちは。私たちは「韓国最高のサブカルチャーブランド」というスローガンのもと、2Dアニメーションだけでなく、ウェブトゥーンやウェブ小説まで制作しているRED DOG CULTURE HOUSEです。サブカルチャーコンテンツを制作しながら、グローバル市場で認められるスタジオを目指して努力しています。
Q. これまでゲーム原作のアニメーションも制作されてきたと伺っています。
『オーバーウォッチ』、『テイルズウィーバー』、そしてウェブトゥーンファンの皆さんにはおなじみの『ヒーローカンターレ』など、多数のゲームPVを制作してきました。ただしPVですので、それほど長くはなく、1分30秒前後のアニメーションでした。ゲーム原作のアニメーションシリーズとしては、ネクソンの『Ar:pieL(スシン学園アルピエル)』という作品があります。
Q. RED DOG CULTURE HOUSEを初めて知る方の多くは、この作品を通して接したのではないかと思います。「グッド・ハンティング」という作品についてご紹介ください。
これはNetflixが企画し、ティム・ミラー監督が所属するBlur Studioが制作を担当したプロジェクトで、短編アンソロジーシリーズ『ラブ、デス&ロボット』の各エピソードごとに、世界中の制作会社や独自のアイデンティティを持つ監督たちをマッチングして制作依頼を行った作品でした。
最初のミーティングで「大人が楽しめるアニメーション」を目指しているという話を聞き、とても興味深いと感じました。実際、アニメーション制作は大変な仕事なので疲れやすいのですが、今回はもう少し面白く取り組めそうだと思いながら制作に参加しました。
実際のところ、制作が終わって公開されるまでの間、社内では制作過程で何度も何度も見ていたので、「本当にうまくできたのだろうか」という確信を持つのが難しかったんです。ところが公開されてみると、私たちの想像を何十倍、何百倍も上回るフィードバックや応援をいただき、とても誇らしかったですね。今後もできるなら、このようなプロジェクトを継続的にやっていくことが、さまざまな面で大きな助けになると感じた作品でした。
Q. ご提案を受けたときに「興味深かった」とおっしゃったのは、やはり韓国のアニメ市場が児童向けアニメ中心に形成されているからでしょうか。
実際、そういう面もあります。ただ、私たちは児童向けアニメーションよりも、もう少し年齢層の高い作品に挑戦したいという考えを持つスタジオです。そのため、子ども向けよりも高年齢層向け作品に強みを持つ人材が集まっているスタジオでもあります。ですから、韓国で制作される作品の中には、私たちが成果を発揮できるタイプの作品があまり多くない環境で、結果的にゲーム分野の仕事を多く手がけてきました。
そうした状況の中で、海外作品ではありましたが、大人が楽しめる物語を持つ作品を作るということ自体に強い興味を感じたのだと思います。ですが、最初に脚本を受け取ったときは、正直とても異質に感じました。社内では「うわ、本当に作りたいものを全部作っているんだな」と話していました(笑)。でも、それがかえって私たちにはより魅力的に感じられたんです。
Q. 今お話に出た脚本の原作者は、実は世界的に有名な作家ですよね。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、世界幻想文学大賞をすべて制した世界初の作家、ケン・リュウの「グッド・ハンティング」を映像化することには、かなりのプレッシャーもあったのではないでしょうか。
ここで正直に言うと、脚本を受け取って制作に入るまで、そのことを知りませんでした(笑)。作業に参加した人たちもみんな知らなかったと思います。私自身もSF作品にそれほど詳しくなかったので、知りませんでした。公開後に反応を見て、非常に有名な作家の作品だったのだと知ったんです。ですから、制作自体は大きなプレッシャーを感じずに進めることができました。
たとえ知っていたとしても、結局プレッシャー自体は同じだったと思います。Blur StudioやNetflixが非常に細かくチェックをしていたので、それに対する緊張感がすでにありましたから。とにかく本当に細かく見ていました。
Q. Netflixとの協業はどのように進んだのでしょうか。作品を自分たちで選んだのか、それとも与えられたのかという点も含めて、制作過程を伺いたいです。
最初にご紹介いただいたときには、2Dや3Dなどさまざまな技法を活用して制作するという説明を受けました。2D作品は2〜3本程度になるだろうという話とともに、脚本を渡されました。
そうして制作することになったのが「グッド・ハンティング」でした。スチームパンクの世界観を表現するために一部3Dも少し取り入れましたが、ほとんどは2Dで制作しました。制作方式は100%デジタルです。シリーズ作品のように長い尺の作品になると、どうしても外部に紙作画の外注を出す場合もありますが、「グッド・ハンティング」は17分ほどの短編フィルムだったため、社内で制作が可能で、100%デジタルで作業しました。
その過程で、私たちは随時Blur Studioとやり取りをしていました。Blur Studioではティム・ミラー監督が脚本をチェックし、その脚本をもとに作品をリードする監督と制作会社をマッチングし、協業を導くハブの役割を果たしていました。私たちはその結果、オリバー・トーマス監督と一緒に制作することになりました。
Netflixとは、フィルムの形が見え始めてから検収などについて話をするようになり、それ以前はBlur Studioやオリバー・トーマス監督と継続的にコミュニケーションを取りながら進めていました。相手がアメリカにいるため、主にオンライン会議で進行し、韓国の午前にミーティングを始めて、アメリカの夕方に合わせて結果を出す形でやり取りを続けていました。
Q. 短編アニメーションを制作することと、『オーバーウォッチ』、『テイルズウィーバー』、『Ar:pieL』、『ヒーローカンターレ』などのゲームティザーアニメーションを制作することには、どのような違いがありましたか。
まず、シリーズ演出とPVでは演出方法そのものが異なります。PVは短い時間の中で華やかさを見せなければならない一方、シリーズは物語性を持たせ、ストーリーをしっかり構築しなければならないので、演出にもPVに比べて静的な部分があります。
制作そのものも異なります。PV映像は主にゲームのプロモーション用として作られることが多いため、ゲーム内に登場するキャラクター中心になります。キャラクターをしっかり際立たせる形で作り、シリーズ作品ではどうしてもキャラクターデザインを少しシンプルにしていくことになります。12話構成ともなると5,000〜6,000カットほどになるので、それを一人で作ることはできません。ですから、複数人で制作するのに適した、無理のないデザインにしていきます。PVは3〜4人、多い場合でも10人程度で制作します。やはりPVはクオリティが重要ですので、そのクオリティを担保できる人員で制作することになります。
だからといって、シリーズ作品が単純に難易度を下げたり、クオリティが低いという意味ではありません。シンプルに見せる部分と、華やかにしてPV以上のクオリティを出すべき場面とをきちんと配分するということです。
Q. 制作する立場から見て、より「楽しい」と感じるのはどのような仕事でしょうか。
人それぞれ、楽しさを感じる部分は少しずつ違うと思います。PVは結果物が早く仕上がるので、それに対する反応をすぐに感じられる点が、制作する側にとっての長所だと思います。ただし短所を挙げるとすれば、あくまでゲームのプロモーション映像である以上、主役はゲームそのものですから、フィードバックもゲーム中心になりやすいということですね。
一方でシリーズ作品は、映像だけでなく物語も含めて多くのフィードバックをいただけるので、制作する立場としてはより大きな励みになります。ただ、制作を終えてから実際に公開されるまでにかなり時間がかかるので、その待ち時間が少しもどかしく感じられることもあります。
Q. RED DOG CULTURE HOUSEのキム・ジュンホチーム長が、「グッド・ハンティング」でエミー賞アニメーション個人功績部門の背景デザイナー賞を受賞されました。おめでとうございます。アニメーション制作会社として、エミー賞を受賞することにはどのような意味がありますか。
正直に言って、「エミー賞」という名前そのものに非常に大きな重みがあると思っています。アメリカ企業であるNetflixの力を借りた部分はあったかもしれませんが、それでも世界中から数多くの作品が生まれる中で目に留まったというだけでも、非常に大きな賞だと考えています。
世界的に見ても、アニメーション制作者が受けられる賞はそれほど多くないと思います。その中でもエミー賞は、アニメーション制作者が受けられる最大級の賞の一つですから、その一つを受賞できたということは非常に大きな意味を持つと思っています。実は、ノミネートされるだけでも十分ありがたいと思っていたのですが、ノミネートの話すら聞いていないうちにいきなり受賞の知らせが来たので、本当に驚きました。
優れた作品の制作に参加できたことで、非常に良い機会を得られたと思っています。背景デザイン賞を受けたこと自体も大変光栄ですが、私たちだけでなく、韓国の他のスタジオからもこのような賞を受ける作品が生まれるように、みんなで最善を尽くして作品を作っていければと思います。
Q. 「グッド・ハンティング」が現実世界に存在する、あるいは存在していた場所とスチームパンク世界観を結びつけていく過程に興味があります。SNSでも大まかな内容は公開されていますが、どのようなアイデアを経て具体化されたのかを伺いたいです。
基本的に、私たちが考えられる範囲で参考にした作品の中には、大友克洋監督の『スチームボーイ』のような作品もありました。それだけでなく、オリバー・トーマス監督がストーリーボード制作や構成の段階で見ていた参考資料も送ってくださり、それをもとにデザイナーたちが肉付けしていきました。
それでも、その過程で最も悩んだのは、どこまで要素を足して、どこまで引くべきかという点だったと思います。実際、今の時代はレファレンスが非常に多い世界ですから(笑)、調べて参考にする資料に困ることはありませんでした。ただ、現実の中にありそうでありながら、異質で独創的なイメージをもっともらしく成立させるのが難しかったですね。
それにもかかわらず、デザインチームがそれを本当に見事に実現してくれて、見ていてとても誇らしかったです。仕上がりは非常に良く、特に香港の高層建築を表現した部分は、もちろん参考資料がなかったわけではありませんが、それ以上にもっと説得力のある雰囲気を生み出してくれました。だからこそ、作品全体の空気感を内容や時代背景、物語ときちんと一致させることに成功できたのではないかと思います。
Q. 『Love, Death + Robots』シーズン2の制作が決定したというニュースを見ました。シーズン2では『カンフー・パンダ』シリーズのヨ・インヨン監督がスーパーバイザーを務めるとも聞いていますが、RED DOG CULTURE HOUSEも参加するのでしょうか。何かお話しいただけますか。
それは私たちが決められることではないので……(笑)。シーズン2制作のニュースは、私たちも記事を通して知りました。おそらく制作が決まってから、実際の制作陣につながるまでには少し時間がかかるのではないかと思います。もし声をかけていただけるのであれば、できる限り良い結果物を作れればと思っています。
Q. RED DOG CULTURE HOUSEは最近、アニメーションだけでなくウェブトゥーン・ウェブ小説の制作にも本格的に参加されています。現在連載中の作品や制作中の作品についてご紹介いただけますか。
ホン・ジョンフン作家の小説『龍神のゲーム』は、8月9日からKakaoPageで連載が始まり、アニメーションPVも公開されています。また、ネオタイプ作家の『見よ!異世界皇帝の改作法』は来月初めにKakaoPageで「待てば無料」として公開予定です。さらに、イム・ギョンベ作家の『異世界剣王生存記』のウェブトゥーンも、今年末ごろの公開を目指して進行中です。
現時点ではアニメ化が可能な作品を中心に開発していますが、題材やジャンルに制限を設けるつもりはありません。まだ確定ではありませんが、ロマンスやSFなどさまざまなジャンルの作品について、自社オリジナル作品も含めて検討しています。私たちはあくまでアニメーションを中心に据えているため、ウェブトゥーンやウェブ小説においても、それをアニメ化したときにどのような魅力があるかを最も重視しています。
Q. ウェブトゥーンやウェブ小説の制作を決める際、どのような基準で作品をご覧になっているのか気になります。
まず第一に重視するのは、アニメ化できるかどうかです。これまでお話ししてきた通り、私たちの強みは「サブカルチャー」ブランドであることにありますので、現在主にアニメを楽しんでいるファン層に訴求できる作品をやってみたいと考えています。同時に、単に日本アニメのファンだけに向けるのではなく、『ラブ、デス&ロボット』で試みたように、さまざまなスタイルに挑戦できる作品についても議論しています。
Q. アニメーション制作会社がウェブトゥーン制作に参加するというのは、少し新鮮な意味を持っています。ウェブトゥーンのスクロール演出とアニメーションの間に、どのような違いや共通点があるとお考えか伺いたいです。
私自身、アニメーション制作をそれなりに20年近くやってきましたが、ウェブトゥーンは……難しいですね(笑)。スクロール方式はカメラワークのような動きをうまく表現できるとはいえ、根本的に自分が感じたものはやはりかなり違っていましたし、表現方法そのものが異なるので、演出にも違いがあると感じました。ですから、いろいろな試みをしてみようとは思っていますが、かなり努力が必要だと感じています。
ただし、制作システムという側面では、似た形にしていける可能性があると見ています。アニメーションは昔から細分化された制作システムを持っていますし、ウェブトゥーンもクオリティが高くなるにつれて、一人では対応できない工程が増え、スタジオ体制が広がっています。アニメーションはもともとそうした形で制作してきたので、その制作システムを参考にしながら、私たちのスタジオでも集団創作システムによってクオリティを高めつつ、同時に安定して作業量を分担できるのではないかと思っています。
Q. 今すぐお話しするのは難しいかもしれませんが、Red Dogが手がけた作品がウェブ小説→ウェブトゥーン→アニメーションへとつながる最初の事例を見られる時期は、いつ頃になるとお考えですか。
まずは、ウェブ小説であれウェブトゥーンであれ、ある程度作品の蓄積が必要だと考えています。多くの資本が投入されるアニメーションにおいて意味のある作品を生み出すためには、まず一定の成果を出す作品が現れる必要があると思っています。もちろん、すべての作品がそうなってくれれば理想ですが、思ったからといってすべてがその通りになるわけではありませんから。
ウェブトゥーンやウェブ小説などのIPを通じて、他分野のさまざまな協力会社とともにアニメーションを制作し、事業を展開していくために、まずはIPを育てることに集中したいと考えています。そうして成功する作品が数多く生まれるのであれば、それが私たちにとって最も望ましい方向だと思っています。
その過程で、アニメーションの長所とウェブトゥーンの長所を組み合わせた新しい試みとして、ハイブリッドコンテンツも構想しています。それに適したIPも探していますし、最終的にアニメーションへつなげていくためには、ウェブトゥーンの読者の皆さんや既存のアニメファンの方々にも、ウェブトゥーン原作アニメに少しずつ慣れていただく時間が必要なのではないか、そうした習慣を作っていく必要があるのではないかと考えています。
結局のところ、アニメーションとは企画と技術の結合だと考えています。アニメーションの技術力については、私たち自身がプロジェクトをリードする仕事をしているので、その技術力を証明していく段階を踏んでいると思っています。一方で企画は、ウェブ小説やウェブトゥーンを通して私たちが埋めていける部分だと考えています。企画と技術の両方を備えることができれば、十分に良いアニメーション作品を作れるのではないかと思っています。
Q. これからRED DOG CULTURE HOUSEの活動を見守ってくださるファンの皆さん、そしてこれまで共に歩んでくださった読者の皆さんへ、メッセージをお願いします。
今も、そしてこれからも、制作してお見せできる良い作品がたくさんあります。個人的には、見てくださっているファンの皆さんにとって、『グッド・ハンティング』のように大きな反響を呼ぶ作品になってくれたら嬉しいです。そうした形で、一つひとつ私たちの実力をお見せできる作品を通して、皆さんの前に現れていきたいと思います。

